株式会社エグゼクティブ


業種
その他サービス業
企業規模
11~30名
課題
生産性向上 / 採⽤と定着 / エンゲージメント向上
「自由に働き、自由に生きる。」というビジョンのもと、テレワーク移行に伴うコミュニケーションやエンゲージメント低下の課題に直面していました。これに対し、社長自らが海外でリモートワークを実践したほか、雑談を促す「1155タイム」やチーム力を高める「SNAP制度」といった独自の戦略を実行。結果として、社員の営業スキルが6段階向上するなど生産性が飛躍的にアップし、心理的安全性の高い環境で、従業員のエンゲージメントと高い定着率を実現しました 。
■YouTube動画
<挑戦>
株式会社エグゼクティブが、テレワーク推進と多様な人材の活躍という目標に向き合う中で直面した課題は、少なくありませんでした。
- ■「自由に働き、自由に生きる。」 場所や時間に縛られない働き方の実現
「自由に働き、自由に生きる。」をビジョンに掲げ、「場所や時間に縛られずに働ける環境を提供したい」という社長の強い思いがありました。この背景には、時間や場所に制約されて思うように働けない人が多くいるという認識がありました。社員が安心して働ける環境を整えることが必要でした。
- ■テレワークにおけるコミュニケーションの課題
対面でのコミュニケーションが主だった状態からテレワークへ移行する中で、テキストコミュニケーションにおける「温度感のずれ」や、オンラインでのやり取りに慣れていない世代への対応が課題として浮上しました。また、社員間の偶発的なコミュニケーションの機会が失われることも懸念されました。
- ■オンライン商談へのスムーズな移行
コロナ禍をきっかけにオンライン商談へのシフトが求められる中、対面での商談に比べて表情やリアクションが伝わりにくいというデメリットをどのように克服し、業績に直結するオンラインでの商談スキルを向上させるかが課題でした。
- ■テレワーク下での教育体制の確立
新入社員や新たな挑戦をしたいと考えている社員を、テレワーク環境下でもしっかりと育成し、各々の背景に左右されることなく成長し続けられる教育体制を構築することが重要でした。
- <独自戦略>
これらの課題を乗り越えるため、株式会社エグゼクティブは、テレワークを最大限に活用し、社員一人ひとりに寄り添う独自の戦略を実行しました。
■社長自らが実践する「場所にとらわれない働き方」
- ■テックチームによるシステム環境の整備
システム周りの問題を解決するテックチーム×現場メンバーが、テレワークにおける課題を一つひとつクリアにするために協力し、社員が安心して働ける環境を整備しました。セキュリティやパソコンの持ち運びに関する問題解決にも取り組みました。
- ■コミュニケーションを活性化する「1155(いい午後)タイム」とチーム力強化の「SNAP(スナップ)制度」
毎日11時55分から5分間、ランダムに振り分けられたメンバーで雑談をする「1155(いい午後)タイム」を設け、偶発的なコミュニケーションの機会を創出しています。また、オフィス特有の一体感を創出し、チーム力強化・生産性向上を目的とする「SNAP(スナップ)制度」を発足。3ヶ月に一度、スキルや成績、出勤状況を考慮してチーム編成を行い、月に一度MVP賞を設けることで、チーム内のコミュニケーションを活発化させ、互いに刺激し合いながらスキル向上を図っています。
- ■オンライン研修の進化とノウハウの蓄積
社長が教育責任者となりオンライン研修を実施しています。テキストや動画での振り返りができる環境を整備し、いつでも学び直しができるようにしています。さらに、チャットルームでのやり取りをFAQサイトのように蓄積することで、社員が必要な情報にいつでもアクセスできるようにし、ノウハウ共有を強化しています。

- ■オンライン商談スキルの向上
コロナ禍をきっかけにオンライン商談へ本格的にシフトし、資料共有の容易さや移動時間の削減といったメリットを最大限に活用。表情やリアクションが伝わりにくいというデメリットに対しては、例えば声のトーンを上げるなどの工夫を行い、オンライン商談を成功に導く、自社独自の営業メソッドを確立し、営業全般のスキルを向上させました。
- ■職場に集まることの意味付け
本社の呼び方を"コミュニケーションを取るためのオフィス”=「こみゅフェス」に変更しました。オフィスは心のよりどころ、何かあったら来たいところ、一つになれる場所がそこにある。これらを実現するために、「またここに来たい」をテーマにリデザインもしました。働く場所は離れても心は離れていない。みんなに会いたいし、年に2回「一体感を感じる」「わくわく」するイベントを企画し全員で集っています。
<成果>
これらの取り組みの結果、株式会社エグゼクティブは生産性向上、従業員エンゲージメントの強化、そして高い定着率という成果を上げています。
- ■生産性の飛躍的向上とスキルアップ
SNAP制度導入後、社員の営業技術の平均値が6段階上昇(エグゼクティブでは営業技術をアマチュアLv.1からプロLv.20まで36段階で規定)と飛躍的に向上しました。これは、テレワーク環境下でもチームで協力し、実践的なスキルを習得できる仕組みが機能していることを示しています。
- ■心理的安全性の高い職場環境の構築
テレワーク開始当初は、テキストコミュニケーションの難しさや、慣れない環境への戸惑いがありましたが、雑談タイムの導入やチャットルームでの工夫、そして社長やテックチームによるサポートを通じて、社員が安心して質問や相談ができる心理的安全性の高い環境が構築されました。これにより、社員が自立して業務に取り組めるようになりました。
- ■「良いモノが売れる世界に。」の実現
同社のミッションである「良いモノが売れる世界に。」の実現に向けて、社員一人ひとりが「あなたの会社の営業部長」という意識を持って、クライアントの課題解決に貢献しています。これは、社員が自社の取り組みに誇りを持ち、高いエンゲージメントで業務に取り組んでいる証と言えます。
<こだわり>
株式会社エグゼクティブが特に重視し、社員が輝く職場を築き上げるために工夫を凝らした点は、以下の通りです。
- ■「三つの自由」の提供
「キャリア」「勤務場所」「勤務時間」の三つの自由を社員自身が選択できるようにしています。これにより、社員は自身のキャリアパスを自律的に築き、場所や時間にとらわれずに働くことが可能になり、自立した働き方を支援しています。
- ■課題解決に特化した営業代行
「営業はものを売る人ではなく、課題を解決する人」と定義づけ、クライアントの抱える営業課題を一緒に解決し、事業展開を支援することにこだわっています。この姿勢が、社員の仕事へのやりがいと誇りにつながっています。
- ■試行錯誤を恐れない文化
テレワークの強みを最大限に活かすため、雑談タイムの頻度調整やラジオコーナーの設置など、様々な試行錯誤を積極的に行い、社員間のコミュニケーションを活発に保つ努力を続けています。
<苦労>
テレワーク導入と定着の道のりで、株式会社エグゼクティブが経験した苦労と、それを乗り越えるための努力は・・・
- ■テレワーク初期の足並みのずれ
テレワーク導入当初は、デスクトップPCからノートPCへの移行に困惑する社員やテキストコミュニケーションに慣れない世代など、社員間で足並みが揃わない時期がありました。そこで、テレワークに関連する基準になる「テレワーク心得」を社員全員で作成。業務姿勢~コミュニケーションの取り方、考え方に至るまで全員が同じ共通認識で取り組める環境を整えました。また、朝の挨拶やおしゃべり、ビジネス的なこと、質問などを分けて行うチャットルームの工夫や、スタンプの使用など、具体的な対策を講じることでスムーズなコミュニケーションを実現しました。
- ■オンラインでの感情表現の難しさ
対面と異なり、オンラインでは表情やリアクションが伝わりにくいという課題がありました。これに対して、声のトーンを上げる、リアクションを意識的に大きくするなどの工夫を社員全員で話し合い、共有し、訓練することで克服していきました。
- ■「知りたい」という気持ちを共有する文化の醸成
テレワーク初期は、疑問やモヤモヤを抱えても「誰に聞けばいいか分からない」「聞いていいのか不安」といった声がありました。これに対し、匿名で質問できるラジオコーナーを設けたり、座談会やワークショップを通じて、誰もが安心して質問できる環境を整えました。これにより、社員は自ら情報を聞きに行き、全社で共有すべきことはオープンなチャネルで発信するという自立した文化が醸成されました。
<未来>
株式会社エグゼクティブは、これからも働き方の進化を追求し、社員と共に目指す未来像を描いています。
同社は今後もテレワークを継続する方針であり、社員が自由に働ける環境を提供し続けることを目指しています。テレワークを継続しつつ、オフィス機能をテレワークで取り入れる方法を模索しており、オフィスで働くのと同じような環境をテレワークで提供することを目指しています。具体的には、SNAP制度などを通じて、テレワーク下でもチーム力を高め、社員一人ひとりのスキルを伸ばしていくことに注力し、教育体制・成長環境の基盤を固めています。
<Advice>
株式会社エグゼクティブから、より良い働き方を模索するすべての企業へのアドバイスです。
「当社はまだ小さな会社ですが、「良いモノが売れる世界に。」のミッション実現に向かって、世の中の理不尽を変えていきたいという思いがあります。場所がどこであろうとやりたい仕事をし、環境に制限されることなく成長し続けていけるということを、一つひとつ証明していきたいと考えています。テレワークは、多様な人材が活躍できる機会をさらに創出し、個人の成長と組織の発展を両立できるものです。社員が安定して働くことができ、結果としてクライアントにも良いサービスを提供できるという考えのもと、日々の試行錯誤を重ねながら一歩一歩道を拓いてきました。大切なのは、社員一人ひとりの困りごとに耳を傾け、それを制度として形にしていくことです。また、社員が自立し、互いに協力し合いながら成長できる環境を整えることが重要です。」