ゾーホージャパン株式会社 | JTA テレワーク実践事例サイト|日本テレワーク協会
社団法人 日本テレワーク協会
  1. ホーム
  2. JTA テレワーク実践事例サイト
  3. ゾーホージャパン株式会社

ゾーホージャパン株式会社

地域共存とチームビルディング 地域に根差し、文化を共有する「ボーダレス・サテライト」

2026年度 日本テレワーク協会会員

業種

情報通信業

企業規模

101~300名

課題

生産性向上 / 地域活性化 / エンゲージメント向上

2017年、静岡県川根本町にサテライトオフィスを開設。インドからのエンジニアを含む多様な人材が地域に溶け込みながら勤務しています。単なるサテライトオフィス設置にとどまらず、地元高校生へのIT教育や地域行事への参加を通じて「地域の一員」としての信頼を構築。同時に、研修やチームビルディングの拠点としても活用し、リアルな交流を通じた組織力の強化と、地方におけるIT活用の可能性を国内外に発信し続けています。

■YouTube動画

挑戦

ゾーホージャパンの川根本町オフィスは、2016年の実証実験を経て、2017年4月に本格運用を開始しました。

設立の決め手: 最大の要因は、過疎化が進む山間部でありながら「町内全域に光通信網が整備されていた」ことです。これに町民の温かさと少子高齢化を何とかしたいという町民の熱い思いが加わり、進出が決定しました。

拠点の進化: 当初は3名体制の民家からスタートしましたが、インドメンバーの増加に伴い、2019年にはかつての旅館「清水館」へと移転しました。


2017年、静岡県川根本町にサテライトオフィスを開設

2019年、元旅館「清水館」をリフォームし、IT拠点として再生

 

独自戦略

■地域に根差し、文化を共有する「ボーダレス・サテライト」

同社の最大の特徴は、地域に深く溶け込んでいる点です。

・インドメンバーの受け入れと定住支援: 本国インドからエンジニアを招聘。専用宿舎を用意し、地域の一員として生活する基盤を整備しています。

教育を通じた次世代育成: 地元・川根高校生を対象とした「インドICTキャンプ」(Zohoインド本社にあるZohoSchoolsでの研修)を継続実施し、地元からグローバル人材を育成しています。

・ギネス世界記録への挑戦: 2023年11月、地域住民や子どもたちと協力した72時間耐久サッカーの「最多参加人数」がギネス世界記録に認定されました。この活動は、単なるイベントを超え、地域と企業が同じ目標に向かって団結する象徴的な出来事となりました。

・草の根の国際交流: インド人シェフの奥様が地元の生徒にインド伝統の砂絵「コーラム」を教えたり、住民にサリーの着付けやインド料理を伝えるなど、日常的に相互理解を深めています 。

・伝統の継承: 地元の「千頭大祭」に仮装して参加したり、伝統芸能である「神楽」にインドメンバーが加わるなど、地域の歴史を共に守っています。
ギネス世界記録への挑戦や、双方向の文化交流を通じた地域との絆です。

川根高校生を対象とした「インドICTキャンプ」を継続実施

 

■社内コミュニケーションとチームビルディング

物理的な距離を克服し、組織の情熱を維持するために、同社は独自の工夫を凝らしています。

・「オフライン」の熱量を大切にする: 各拠点のメンバーが川根本町に集まり、インド人シェフによる「本格インド料理」を共に囲むことで、デジタルでは得られない深い繋がりを醸成しています。

・「オンライン」での仕掛け: 自社チャットツール「Zoho Cliq(ゾーホークリック)」を活用。業務用のチャンネル以外に、雑談用や社内掲示板「Zoho Connect(ゾーホーコネクト)」を設け、イベント情報や新入社員の自己紹介などを活発に共有しています。

・自治体との共創: 町役場へ「Zoho CRM」を導入支援したことで、移住相談業務が効率化され、行政サービス向上という形での貢献も実現しました。

・パートナー研修: 取引先を招いたカスタマイズトレーニングを実施し、クライアントサポートの強化を図っています。
       

      インド人シェフによる「本格インド料理」       物理的な距離を克服し、組織の情熱を維持

 

成果

革新的な取り組みの結果、ゾーホージャパンは生産性向上、従業員エンゲージメントの強化、そして高い定着率という目覚ましい成果を上げています。

  • 地元採用の実現: インドICTキャンプ参加者の川根高校卒業生を新卒採用するなど、若者の地元定着に貢献
  • 地域経済への波及効果: 地元カフェでのインドカレー提供や、メディア(NHK「サラメシ」等)露出による町の認知度向上
  • 自治体DXの支援: 川根本町役場が自社ツール「Zoho CRM」を導入。移住相談業務の効率化を支援し、町民サービスの向上にも寄与しています。

みちのり

当初は3名体制での手探りのスタートでした。町の光通信インフラの整備は不可欠でしたが、それ以上に重要だったのは「住民とのつながり」です。インドからのメンバーが地域行事に積極的に参加し、住民が自主的に会社のロゴシールを軽トラや自宅に貼ってくれるようになるまで、地道な交流を積み重ねました。

 

こだわり

株式上場を目指さず、外部投資に頼らない経営姿勢を貫くことで、短期的な利益よりも「お客様と社会への価値創造」に情熱を注いでいます 。この「情熱」こそが、川根本町という未知の地での挑戦を支える原動力となっています。

 

ゾーホージャパンからのメッセージ

サテライトオフィスは「箱」を作ることが目的ではありません。その土地の人々と話し、文化を体験し、自社の技術をどう地域に役立てるかを真剣に考える「共生」の姿勢が、結果として社員の働きがいと企業の成長につながります。ゾーホー創業者のシュリダーCEO(当時)は、「IT企業が地方に腰を据えることで、日本人の地方への考え方が変わる」と語っています。

緑豊かな茶畑が広がる川根本町の美しい景観と、民家に貼られた「ZOHO」のロゴステッカー


ゾーホージャパン株式会社ホームページ https://www.zoho.co.jp/