ビーウィズ株式会社


2025年 日本テレワーク協会会員
業種
その他サービス業
企業規模
1,001名以上
課題
育児/介護 / 生産性向上 / 採⽤と定着
コンタクトセンター・BPO事業を展開するビーウィズは、労働人口減少による採用難や災害リスクへの対応として、完全在宅コンタクトセンター「Bewith Digital Work Place」を構築しました。特筆すべきは、クラウドPBXやモニタリングシステムを自社開発し、「システム×運用」の両輪で課題を解決した点です。その結果、採用応募数は約20倍に急増し、採用単価は60%削減。離職率も半減するなど、劇的な成果を上げています。出社と在宅を組み合わせたハイブリッド運用を標準化し、持続可能なサービス提供を実現しています。
挑戦:人材確保と地域格差解消への挑戦
日本社会は「労働人口の減少による慢性的な人手不足」に直面しており、従来の「都市部のオフィスに出社して働く」スタイルだけでは、必要な人材を確保し続けることが年々困難になっていました。特にコンタクトセンター業界は採用競争が激しく、採用単価の高騰も経営の大きな課題となっていました。
また、大都市圏への一極集中が進む中で、「地域による就業機会の格差」も課題となっています。働きたい意欲やスキルがあっても、近くに働く場所がないために就業を諦めざるを得ない層が地方には多く存在します。場所にとらわれない働き方を実現することは、こうした潜在的な労働力を掘り起こし、企業の成長につなげるための必須条件となっています。

独自戦略:「システムも、運用も、自前でつくる」。デジタルツールの自社開発で実現した「Bewith Digital Work Place」
これらの課題を乗り越えるため、ビーウィズは、テレワークを最大限に活用し、社員一人ひとりに寄り添う独自の戦略を実行しました。それが、「Bewith Digital Work Place」構想です。
特筆すべきは、在宅コンタクトセンター運営に必要な「システム」と「運用ノウハウ」の両方を自社で保有・開発している点です。
クラウド型PBX「Omnia LINK(オムニアリンク)」の活用
通話音声のリアルタイムテキスト化機能を搭載。SV(スーパーバイザー)は、離れた場所にいるオペレーターの通話内容をテキストで同時に複数モニタリングでき、キーワード検知によるアラート機能で「助けが必要な瞬間」を逃さずフォローすることを可能にしました。
オンライン研修&モニタリングシステム「Be-mon(ビーモン)」の開発
在宅オペレーターのPC操作画面とカメラ映像をリアルタイムで一覧表示。顔色や操作の迷いを可視化し、ワンクリックで通話やチャットができる「エスカレーション機能」により、隣に座っているかのような手厚いサポートを実現しました。
教育のオンライン化と「リモートワーカー認定制度」
セキュリティ研修やシステム操作、応対品質など、在宅勤務に必要なスキルを体系化した研修カリキュラムを構築。認定試験に合格したスタッフのみが在宅業務を開始できる仕組みとし、品質を担保しています。

成果:「働きたいのに働けなかった」層が活躍。柔軟な働き方が生んだ「安心」と「定着」
革新的な取り組みの結果、ビーウィズは生産性向上、従業員エンゲージメントの強化、そして高い定着率という目覚ましい成果を上げています。

ライフスタイルに合わせた柔軟な働き方の実現
育児や介護、配偶者の転勤など、様々な事情を抱えるスタッフが、自宅から安心して働き続けられる環境が整いました。通勤時間がなくなったことで、家事や育児との両立がしやすくなり、「隙間時間を有効活用したい」「夢を追いかけながら働きたい」といった多様なニーズに応えています。
圧倒的な採用力と定着率の向上
全国どこからでも応募可能な「完全在宅」求人は、従来の約10倍〜20倍もの応募を集め、採用単価は約60%削減されました。また、柔軟で無理のない働き方が可能になったことで、スタッフの満足度が向上し、離職率は通常センターと比較して約50%(半減)という劇的な改善を見せています。
品質と生産性の維持
懸念されがちな応対品質や生産性(CPH)についても、デジタルツールによる密な管理と適切なフォローにより、出社型センターと変わらない高い水準を維持しています。

こだわり:「見えない不安」を「見守られている安心」へ。デジタルだからこそ大切にした“人間味”のある繋がり
ビーウィズが特に重視し、社員が輝く職場を築き上げるために工夫を凝らした点は、以下の通りです。
孤独感を生まないチームビルディング
在宅勤務では希薄になりがちなコミュニケーションを補うため、研修期間中に同期同士の「オンライン座談会」を実施。業務以外の趣味や人柄を知る機会を設け、心理的安全性を高めています。
「監視」ではなく「見守り」のマネジメント
モニタリングツールは「サボっていないか監視する」ためではなく、「困っているときにすぐ助ける」ために活用しています。アラートが上がればSVから能動的に声をかけることで、オペレーターは「一人ではない」「見守られている」という安心感を持って業務に取り組めます。

モチベーション向上の仕掛け
成果に応じたインセンティブや、KPI達成時にオンライン上でガチャガチャを回せるイベントなど、デジタルならではの遊び心を取り入れた施策で、日々の業務に楽しみと達成感を提供しています。
苦労:セキュリティへの懸念と、対面神話の払拭。実績を積み重ねて築いたクライアントとの信頼関係
テレワーク導入と定着の道のりで、ビーウィズが経験した苦労と、それを乗り越えるための努力をご紹介します。
最大の壁は、クライアント企業が抱く「セキュリティ」と「品質」への懸念でした。「個人情報を在宅で扱って大丈夫なのか」「目の届かない場所でサボるのではないか」。こうした不安に対し、同社はシステムによる「なりすまし防止」や「のぞき見検知」といった技術的な対策を徹底。さらに、セキュリティ教育の徹底や、実際の運用データを可視化して提示することで、一つひとつ信頼を積み重ねていきました。
また、現場マネージャー層の「対面でないと指導できない」という意識変革にも注力。リモートワークに特化したマネジメント研修を行い、ツールの効果的な使い方や、テキストコミュニケーションのコツを浸透させることで、対面一択からの脱却を図りました。
未来:既に定着した「ハイブリッド運用」。クライアントと共に、持続可能なサービスの提供へ
現在、ビーウィズの運営では、業務特性やオペレーターの希望に合わせて出社と在宅を使い分ける「ハイブリッド型」の運用が既にスタンダードとなっています。
今後は、この柔軟な運用モデルをさらに深化させ、クライアント企業の要望や業界動向に合わせた最適なサービスを提供し続けることで、持続可能なコンタクトセンター運営を実現していく方針です。
Advice:ビーウィズから、より良い働き方を模索するすべての企業へのアドバイスです。
在宅コンタクトセンターの成功の鍵は、「システム(道具)」と「運用(魂)」のセット導入にあります。
便利なツールを導入するだけでは不十分です。それを使いこなすための教育カリキュラム、評価制度、そして「離れていてもチームである」という文化醸成が不可欠です。
まずは、セキュリティやルールの整備からスモールスタートで始めてみてください。やってみることで、「案外できる」「むしろ効率が良い」という発見が必ずあるはずです。変化を恐れず、テクノロジーを味方につけることが、次世代の組織づくりへの第一歩です。
ビーウィズ株式会社 ホームページ: https://www.bewith.net/








