「社員ゼロ」で支援先企業の利益143%増を達成!DXが拓く、オフィスat流「女性の声とチカラを活かす、ほぼ100%テレワーク組織」の全貌
導入企業情報
企業名: 株式会社オフィスat 業界:マーケティングコンサルティング及びソリューション提供 |
[オフィスatチームの活動風景]
導入前の課題(ビフォー)
「時間や場所の制約で、能力ある女性が輝ける場が少ない」。株式会社オフィスatの代表取締役 寺島みちこ氏は、創業前からこの社会課題を痛感していました 。 従来の働き方では、出産・育児・介護といったライフイベントや、夫の転勤などでキャリアを中断せざるを得ない女性が多く存在しました 。
【女性の潜在能力の未活用】
能力や経験があっても、フルタイム勤務や通勤が困難で活躍の機会を失っている女性が多いという認識がありました 。
【企業側の課題】
女性視点を取り入れたマーケティングや商品開発のニーズは高いものの、多様な女性のリアルな声を継続的に吸い上げ、ビジネスに活かす仕組みが不足していました 。
【旧来型雇用の限界】
固定的な組織構造や働き方では、変化の早い市場ニーズや多様化する個人の価値観に対応しきれないという課題感がありました。
取り組み内容・導入したDX施策 (アクション)
オフィスatはこれらの課題を乗り越えるため、創業当初からDXを駆使した革新的な働き方を導入・進化させてきました。オフィスatは、寺島代表と阿部専務の2名体制のもと、いわゆる「正社員」を雇用せず、プロジェクトごとに全国各地の専門スキルを持つフリーランスや法人と業務委託契約を結び、最適なチームを組成する「社員(従業員)ゼロ」の組織モデルを構築しています 。
【「社員(従業員)ゼロ、全員業務委託」の組織モデル】
正社員を雇用せず、プロジェクトごとに全国各地の専門スキルを持つ女性たちと業務委託契約を結び、最適なチームを組成 。 これにより、固定費を抑えつつ、多様な才能を柔軟に活用しています。
【ほぼ100%テレワークの徹底】
全ての業務を基本的にテレワークで完結。 働く場所や時間に縛られず、個々のライフスタイルに合わせた柔軟な働き方を実現しています。
活用ツール コミュニケーション: |
【業務の徹底的な分解と明確化】
テレワークでも円滑に業務が進むよう、各プロジェクトの業務内容を細かく分解し、それぞれの役割や指示を明確に言語化 。 これにより、業務の属人化を防ぎ、誰でも参加しやすい環境を整備しています。
【女性コミュニティとの連携】
全国のNPOや女性支援団体などと広範なネットワークを構築し、多様なスキルや視点を持つ人材を発掘・連携しています 。
【共感を軸としたマネジメント】
「ミッションへの共感」を重視し、メンバー一人ひとりの自己実現とオフィスatの成長がリンクするような、自律的な働き方を支援しています 。
[オフィスat事業概要]
導入後の成果・効果 (アフター)
DXを大胆に活用した働き方改革は、目覚ましい成果を生み出しています。
【クライアント企業のコールセンター支援で驚異的な成果】
あるクライアント企業のコールセンター業務において、オフィスatの支援により、主婦層をターゲットとしたパート採用を提案し、採用ブランディングからサポート 。その結果、採用充足率100%(100名超)を達成し、同クライアントの売上は前年比38%増、利益はなんと前年比143%増という劇的な改善を実現しました 。 さらに、離職率の大幅な低下、従業員満足度調査での2桁アップにも貢献しました 。 現在では口コミだけで採用が充足するほどの人気職場へと変貌を遂げました 。
![]() [ショールーム見学会の様子] |
【クライアント企業の輸入車販売会社支援で新規顧客開拓】 女性社員による部門横断プロジェクトチームを結成し、女性顧客獲得のための新たなアプローチを企画・実行 。ショールーム見学会や試乗ランチツアーなどを開催し、通常イベントの女性参加比率が10%から30%へと大幅に増加 。 新規顧客層の開拓とファン化に成功し、メーカーの全国ディーラー会で表彰されるなど、大きな反響を呼びました 。
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【多様な人材の活躍推進】
✔ 年間延べ2,000名の女性たちが、子育て、介護、地方在住といった制約に関わらず、自身のスキルや経験を活かして活躍しています 。
✔ トリプルワークなど、個人の希望に応じた多様な働き方を実現しています 。
【企業価値の向上】
✔ 女性視点を活かした付加価値の高いマーケティングソリューションを提供することで、クライアント企業の課題解決に貢献しています 。
✔ 「福岡市ステップアップ奨励賞」や「西鉄オープンイノベーションコンテスト特別賞」など、数々の賞を受賞し、社会的な評価も獲得しています 。
成功のポイント・工夫した点
オフィスatの成功は、単にツールを導入しただけではありません。そこには、徹底した「仕組みづくり」と「人を活かすマネジメント」がありました。
【「テレワークありき」の業務プロセス構築】
✔ 業務分解と見える化の徹底
「テレワークで成果を出すためには、誰が何をするのか、どう進めるのかを明確にすることが不可欠」と寺島氏は語ります 。 業務を細かく分解し、指示や情報を言語化・可視化することで、場所を選ばないスムーズな協業を実現しました 。 これは、将来的なAI活用にも繋がる布石となっています 。
✔ ツールの最適活用と継続的改善
Zoomやクラウドといったツールを積極的に試しながら、自社の働き方に合わせて使い方を最適化 。 常に変化を恐れず、より良い仕組みを追求し続けています。
【「自律・共感・自己実現」を促すマネジメント】
✔ ミッションへの深い共感
「女性の声とチカラを活かせる社会づくり」という明確なミッションが、共に働くメンバーの強い共感を呼び、自律的な行動を促しています 。 メンバーは単なる「作業者」ではなく、「ミッション実現のための仲間」として参画しています 。
✔ 個々の自己実現を支援
定期的な1on1ミーティングなどを通じて、個々のキャリアプランや目標を共有し、その実現をサポート 。 オフィスatでの仕事が、メンバー自身の成長や自己実現に繋がることを重視しています 。
✔ コミュニケーションの場としてのオフィス
物理的なオフィスは、日常業務のためではなく、メンバー同士の信頼関係を深め、新たなアイデアを生み出す「コミュニケーションの場」として活用しています 。
【トップの強いリーダーシップと先見性】
代表の寺島氏自身が、子育てと仕事の両立に苦労した経験を持つからこそ、女性が本当に働きやすい環境とは何かを深く理解し、強い意志を持って改革を推進しています 。 創業当初からテレワークの可能性に着目し、DXを積極的に取り入れてきた先見性が、現在の成功の礎となっています 。
今後の課題、取り組み
「女性の働きやすさは、多様性推進の第一歩」寺島氏と阿部氏は語ります 。 オフィスatは、これまでの成功に甘んじることなく、さらなる高みを目指しています。
【ノウハウの横展開】
自社で培ってきたテレワーク導入・運用ノウハウや、女性活躍推進の知見を、より多くの企業や団体に提供し、社会全体の働き方改革に貢献していきたいと考えています 。
【「声を活かす仕組み」の進化】
テレワークをさらに活用しながら、生活者のリアルな声をより効果的に収集・分析し、企業のマーケティング活動や社会課題の解決に繋げる「共創マーケティング」の仕組みを進化させていきます 。
【DXのさらなる深化】 AIなどの新しいテクノロジーも積極的に取り入れ、業務効率化と提供価値の向上を両輪で追求していきます。
関連情報・ナビゲーション
株式会社オフィスat HP
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日本テレワーク協会 窓口 guide@japan-telework.or.jp (お手数ですが、@を半角に替えてください)