「社員の笑顔が最優先!」二次検診100%と男性育休100日超え。ICTコンストラクションが実践する“本気のウェルビーイングDX”とは?
「うちの会社も、もっと社員が生き生きと働ける環境にしたい…」
「DXって何から始めれば?本当に効果があるの?」
多くの経営者や担当者の方が、こんな悩みを抱えているのではないでしょうか。今回ご紹介するICTコンストラクション株式会社(Gcomグループの一員) は、まさにその答えを指し示してくれる企業です。 同社は、社員の健康と幸福を第一に考えた「ウェルビーイング経営」をDXの力で加速させ、驚くべき成果を上げています。その秘密は、単なるシステム導入に留まらない、血の通った取り組みにありました。
導入企業情報
企業名:ICTコンストラクション株式会社 業界:情報通信業 |
導入前の課題(ビフォー)
同社がDX推進に至った背景には、以下のような課題意識がありました。
これらの課題に対し、同社は「社員が楽しく、自然と健康になり、より良く働ける環境」をDXで実現する道を選びました。
取り組み内容・導入したDX施策 (アクション)
ICTコンストラクションの働き方DXは、健康経営優良法人認定制度の積極的な活用を土台とし、自社開発の人材育成支援システム「ざいなる」とグループ会社開発のコミュニケーションツール「ざいなるHello」を中核に据えて多角的に展開されています。
ざいなるHelloトップ画面 |
出勤状況、体調、打刻 |
![]() ボランティア参加報告 |
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日々の歩数を登録・共有し、社員間で競争。 月間平均歩数でポイントも獲得。 地域別・年齢別ランキングで競争意欲を刺激。
サンクスカード:
感謝の気持ちを気軽に伝え合うことで、ポジティブなコミュニケーションを促進。 送った側も受け取った側もポイントを獲得できます。
ボランティア活動の共有・ポイント化:
地域貢献活動への参加を促し、社会性を育む。
多様な情報共有の場:
スポーツイベント参加、お客様情報、業務改善提案などを共有し、組織の一体感を醸成。
忘れがちな行動を定期的にセルフチェック:
毎日⇒自分の健康チェック、毎週⇒家族を思う行動チェック、毎月⇒職制に応じたあるべき行動チェック、いずれもポイント獲得。
安否確認機能:
災害時などに迅速な安否確認を実施。
【徹底した健康サポート体制】
3年前からストレスチェックを年2回実施し、職場環境に課題があれば各課の管理者が改善に向けて取組む仕組みを運用しており、効果を実感。
【充実した福利厚生と柔軟な働き方】
【快適で活気あるオフィス環境】
リフレッシュスペース、サウンドソファ、香りの導入など、五感に訴える快適なオフィス環境を整備。
ウォーターサーバーの設置や、気分転換のためのお菓子の社内販売(費用補助あり)。
サウンドソファ |
香りがするオフィス |
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これらの取り組みは、Gcomグループの経営理念である「社員重視」を具現化するものであり、社員が心身ともに健康で、活き活きと働ける環境づくりへの強い意志が感じられます。
導入後の成果・効果 (アフター)
これらの多岐にわたる取り組みの結果、ICTコンストラクションは目覚ましい成果を上げています。
【驚異的な健康指標】
✔ 健康診断二次検診の受診率が、ICTコンストラクション単体で5年連続100%を達成。 グループ全体でも98%と極めて高い水準です。
✔ 「ざいなるHello」の歩数ランキング機能は社員の健康意識を高め、楽しく運動習慣を継続するきっかけになっています。
【働きがいと働きやすさの向上】
✔ 直近5年間で育児休業を取得した社員は5名。 取得平均日数は女性518日、男性108日と、特に男性の育休取得が際立っています。 これは「育休職場応援手当」などの支援策が効果を発揮している証左です。
✔ サンクスカードの活用で、部門を超えた感謝のコミュニケーションが活発化。
✔ ボランティア活動への参加を通じて、社員の社会貢献意識が向上し、採用活動にも好影響を与えています。
【エンゲージメントと企業文化への好影響】
✔ 「ざいなるHello」を通じたポイントシステムは、社員の様々な活動を可視化し、モチベーション向上に貢献。 法人クレジットカードで貯まったポイントを原資に、総額70万円分を社員へ還元予定(Apple Watch、家電製品、米・肉などバラエティ豊富!)。
✔ 社員が主体的に健康増進やコミュニケーションに参加する文化が醸成され、「安心して楽しく働ける職場」が実現しています。
✔ これらの取り組みは、経営理念の浸透にも繋がっています。
これらの成果は、単に制度を導入しただけでなく、社員が「自分ごと」として捉え、積極的に関与できるような「仕掛け」と「風土」を丁寧に作り上げてきた結果と言えるでしょう。
成功のポイント・工夫した点:課題を価値に変えた戦略的思考
ICTコンストラクションの働き方DXが大きな成果を上げている背景には、いくつかの重要な成功要因と工夫があります。
【「楽しさ」を追求したツール設計と運用】
松田清信社長は、「社員が楽しく取り組めること」を重視。 「ざいなるHello」は、歩数競争やサンクスカード、ポイントインセンティブといったゲーミフィケーション要素を随所に取り入れ、社員が自発的に、そして楽しみながら健康増進やコミュニケーション活動に参加できるよう工夫されています。
【トップの強いコミットメントと率先垂範】
松田社長自らが健康経営とDXの重要性を強く認識し、その推進にリーダーシップを発揮。 このトップの熱意が、全社的な取り組みへと繋がっています。
【健康活動と人事評価のポジティブな連動】
健康診断の受診状況やボランティア活動への参加などを人事評価にも反映。 ただし、「悪くてもB評価」とするなど、ペナルティではなくポジティブな動機づけとして機能させています。 この「頑張りを認める」姿勢が、社員の自主的な行動を後押ししています。
【社員一人ひとりに寄り添う包括的なサポート】
充実した健康診断補助やワクチン接種支援、手厚い育児・介護支援、多様な働き方の許容 など、社員のライフステージや個々の状況に合わせたきめ細かなサポート体制が、安心して働ける基盤となっています。 特に、60歳定年を迎えた社員や障がいを持つ方、子育て中の女性などが活躍するアクティブクオリア株式会社の存在も、グループ全体の多様な人材活用への意識の高さを示しています。
【グループ全体でのスケールメリットと知見の共有】
Gcomグループ(グループ会社8社、社員数約650名) という規模を活かし、「ざいなるHello」をはじめとする優れた取り組みをグループ全体で展開。 これにより、より大きなインパクトを生み出し、成功事例やノウハウを共有しやすい環境が整っています。
今後の課題、取り組み:個のAIから、協調する"AIの星座"へ
ICTコンストラクションは、現状に満足することなく、さらなる高みを目指しています。
✔ 「ざいなるHello」については、今後も機能改善を続け、社内での活用を深化させるとともに、その有効性を他の企業にも広めるべく、民間企業への拡販も視野に入れています。
✔ 福利厚生制度も継続的に見直し、2025年7月度からは新たな福利厚生手当の支給も予定されています。
✔ 「これからも、安心して楽しく働ける職場作りを目指します」という言葉通り、社員のウェルビーイング向上への取り組みは、同社の成長戦略の中核であり続けるでしょう。
ICTコンストラクション株式会社の取り組みは、DXが単なる業務効率化の手段ではなく、従業員の幸福度を高め、ひいては企業全体の価値向上に繋がることを力強く示しています。あなたの会社でも、「社員の笑顔」を起点としたDXを始めてみませんか?
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