「通勤を禁じたら、最強のチームが生まれた」
ー ダイナックスが自社実践で磨き上げた、働きがいDXツール「通禁オフィス」の真価
「日々のメール処理に追われ、本来の業務に集中できない」「テレワークで、誰が何をしているのか分からない」「顧客からの問い合わせ履歴が、担当者のメールに埋もれている」多くの企業が抱える、こうした情報の分断と属人化。
その根深い課題を、自社の徹底したテレワーク実践の中から見つけ出し、解決するために生まれたのが、株式会社ダイナックスのグループウェア「通禁オフィス」です。これは単なるツールではありません。企業の働き方を根本から変革し、成長を加速させるための「思想」と「仕組み」なのです。
導入企業情報
企業名:株式会社ダイナックス 業界:情報通信業 |
導入前の課題(ビフォー)
私たちは今、どんな課題に直面しているか?
例えば、立場や部門は違えど、私たちは日々の業務の中で、共通の「見えない壁」に直面しています。
経営者: 「会社の『今』が正確に掴めているのか?感覚に頼った判断をしていないか?」
部課長: 「部下の状況がきちんと見えているか?適切なサポートや評価ができているだろうか?」
IT部門: 「バラバラのツールが乱立していないか?会社のセキュリティは本当に安全か?」
全社員: 「資料探しや報告書作成といった、本来価値を生まない作業に時間を奪われていないか?」
これらの課題は、個人の努力だけでは解決が困難です。会社の仕組み、つまり「働き方のOS」そのものをアップデートする必要があります。ダイナックスも例外ではありませんでした。これから(To-Be)を目指し、新しい「働き方のOS」となる統合プラットフォーム「通禁オフィス」の自社開発に至ったのです。
対象 |
これまで(As-Is) |
これから(To-Be) |
情報 |
メール、個人PC・スマホ、各種ツールに散在 |
単一のプラットフォームに集約され、情報が連携 |
業務 |
属人的で非効率な手作業が多い |
標準化・自動化が進み、コア業務に集中可能 |
状況 |
報告があるまで不明(ブラックボックス) |
リアルタイムで可視化され、迅速な判断が可能 |
[全社の生産性とガバナンスを向上させる経営基盤のTo-Be]
取り組み内容・導入したDX施策 (アクション)
これらの課題を根本から解決するため、同社は「自分たちが本当に欲しいものを作る」という思想のもと、「通禁オフィス」を自社開発しました。その基盤となっているのは、組織の目的達成に必要な機能を体系化した「なかま」というシステムです。
「通禁オフィス」は、特に利益を追求する組織の生産性を最大化するため、以下の5つの基本要件を徹底的に追求しています。
1.情報の安全性を確保する
2.誰でも容易に操作できる
3.仕事そのものを支援する
4.ミスを未然に防止する
5.組織のルールをシステム化する
これらの要件を実現するため、単に機能を提供するだけでなく、「機能を超えた情報連携」にこだわりました。
【メールが業務の起点に】
受信したメールから、過去のやり取り、添付ファイル、訪問履歴まで瞬時に確認。メール本文の日付をドラッグするだけでスケジュールに登録できるなど、手入力の手間を極限まで削減します。
【あらゆる情報を一元管理】
顧客、スタッフ、取引先といった「人」に関する情報を軸に、スケジュール、プロジェクト、コンテンツ(文書ファイル)など、全ての情報が有機的に連携。例えば、スケジュールに投入された時間は自動で集計され、プロジェクトや顧客ごとの生産性をリアルタイムで可視化します。
【オープンかつ安全な情報共有】
組織階層に合わせた柔軟なグループ管理と、スタッフごとの詳細なアクセス権設定により、セキュリティを担保しながら、必要な情報が必要な人に届く環境を実現しました。
[「通禁オフィス」のイメージ]
導入後の成果・効果 (アフター)
「通禁オフィス」の導入は、ダイナックスの働き方を劇的に変革しました。
定量的成果
情報を探す時間や、調整・入力といった間接業務の時間が大幅に削減され、社員が付加価値の高いコア業務に集中できる環境が実現しました。送信したメールが不達だった場合、自動で顧客情報にフラグが立つなど、細かな業務ロスが徹底的に排除されました。
定性的成果
【エンゲージメントの向上】
煩雑な作業から解放され、社員はより創造的な仕事にやりがいを見出すように。情報がオープンになったことで、組織への信頼感も高まりました。
【顧客満足度の向上】
顧客からの問い合わせに対し、誰でも迅速に過去の経緯を把握して対応可能に。メールを介さず直接やり取りできる「顧客サポート会議室」機能 により、迅速で安全なサポートが実現しました。
【組織学習能力の向上】
成功事例も失敗事例も、関連情報が全て紐づいて蓄積されるため、組織全体のノウハウとして共有・継承されやすくなりました。
[導入前後の情報共有の流れ]
成功のポイント・工夫した点
「自分たちの"痛み"は自分たちで解決する」という強い意志が、開発の原動力です。現場の社員が日々感じていた「面倒」「非効率」を解消する機能を、徹底的に追求しました。
【「情報の一元化」への執念】
バラバラの情報を一つに繋ぎ、連携させることに徹底的にこだわりました。これにより、一つの情報入力が他の機能にも自動で反映され、業務全体の生産性を飛躍的に向上させています。
【「働きがい」のシステム化】
単なる効率化だけでなく、社員がミスなく、快適に、そして創造的に働けるよう、仕事の進め方やルールそのものをシステムに組み込みました。これが、従業員のエンゲージメント向上に直結しています。
今後の課題、取り組み
現在、「通禁オフィス」にAIは搭載されていません。しかし、ダイナックスの挑戦はここで終わりません。取材では、今後の展望として「AIの活用」が明確に語られていました。今後は、蓄積された膨大な業務データを活用し、メールや文書の自動要約、個人のタスクの最適化提案など、より高度な知的生産活動を支援するAI機能の開発を目指しています。自社で徹底的に磨き上げたこの仕組みを、次はAIと融合させることで、働き方の未来を切り拓いていく計画です。
あなたの会社では、情報の分断が「見えないコスト」や「社員のストレス」になっていませんか?ダイナックスの事例は、その課題解決が企業の成長と従業員の幸福に直結することを示しています。
関連情報・ナビゲーション
テレワーク実践事例サイトはこちら
お問い合わせ
日本テレワーク協会 窓口 guide@japan-telework.or.jp (お手数ですが、@を半角に替えてください)