アリーナの挑戦!DXとSNSマーケで「働きがい」と「顧客エンゲージ」をつかむ
導入企業情報
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企業名: 株式会社アリーナ 業界:卸売業・小売業(ベビー用品、日用品雑貨) |
導入前の課題(ビフォー)
株式会社アリーナは、2005年の設立以来、ユニークな製品開発で成長を続けてきました。 しかし、事業拡大と市場環境の変化に伴い、いくつかの課題に直面していました。
【アナログな業務プロセス】
設立当初はOEM事業が中心で、手作業での対応が多く、流通業界への本格的な進出にあたり、業務全体のシステム化が急務でした。 特に、FAXでの受発注業務は非効率で、手間とコストが大きな負担となっていました。
【市場環境の変化への対応】
主力商品である「ベビーキュピカ!」は発売から10年が経過し、市場での認知度は高いものの、近年の深刻な少子化(2014年から2024年で出生数が約28%減少)の影響を受け、売上が減少する可能性がありました。 新たな顧客層へのアプローチとブランド価値の再構築が求められていました。
取り組み内容・導入したDX施策 (アクション)
これらの課題を解決し、さらなる企業成長を目指すため、株式会社アリーナは以下のDX施策を推進しました。
【EDI(電子データ交換)システムの導入】
従来のFAXによる受発注業務をEDIシステムに移行。これにより、受注データの処理が自動化され、大幅な業務効率化とコスト削減を実現しました。
【SNSマーケティング戦略の展開】 ✔ 主力商品「ベビーキュピカ!」の新たな顧客層獲得とブランドエンゲージメント向上を目指し、Instagramを中心としたSNSマーケティングを開始しました。
✔ 効果的な情報発信のため、約1万人の登録マイクロインフルエンサーを抱える外部のインフルエンサー運用サービスを導入。 専門的なノウハウを取り入れ、投稿クリエイティブの作成やフォロワー獲得といった課題に対応しました。
✔ 月1回のミーティングを通じた伴走支援を受けながら、戦略的なSNS運用を行っています。 |
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導入後の成果・効果 (アフター)
これらのDX施策により、株式会社アリーナは着実に成果を上げています。
【業務効率の大幅な向上】
基幹業務のシステム化とEDI導入により、手作業が大幅に削減され、業務全体の効率が飛躍的に向上しました。 特に受注処理にかかる時間は大幅に短縮され、従業員の負担軽減にも繋がっています。
【新たな顧客接点の創出とブランド認知向上】
✔ SNSマーケティングの展開により、「ベビーキュピカ!」の認知向上を目指しており、100万リーチを目標に活動を継続しています。 ベビーグッズ購入者の約65%がSNSから情報収集するというデータもあり、この取り組みは非常に重要です。
[出典:マイナビメディアのマーケターが教える マーケティング・広報ラボ]
https://cm-marketinglab.mynavi.jp/column/research_childbirth-preparation/
✔ インフルエンサーのリアルな声を通じた情報発信は、ターゲット層への効果的なアプローチとなり、ブランドの認知向上にも貢献しています。
成功のポイント・工夫した点
株式会社アリーナのDX推進が成功している背景には、いくつかの重要なポイントがあります。
【経営層の強いリーダーシップと先見性】
社長の津野氏が特定の素材に惚れ込み事業を立ち上げた情熱と、専務取締役である津野真理氏の柔軟な発想と実行力が、DX推進の原動力となっています。 リーマンショックを機に自社商品開発へ舵を切った経験も、変化への対応力を養いました。
【課題認識と迅速な行動】
手作業の限界や市場の変化といった課題を的確に捉え、EDI導入やSNSマーケティングといった具体的な解決策を迅速に実行に移しました。
【外部知見の積極的な活用】
SNSマーケティングにおいては、自社での運用に固執せず、外部の専門サービスを導入し、専門家の知見やノウハウを積極的に取り入れました。 定期的なミーティングによる伴走支援も、戦略の精度を高める上で効果的でした。
【従業員のエンゲージメント】
業務効率化は、従業員の負担軽減とモチベーション向上に直結し、社内全体でDXを推進する意識の醸成に繋がっています。
【段階的なDX推進】
まずは喫緊の課題であった受発注業務のデジタル化から着手し、その後マーケティング分野へとDXを拡大するなど、段階的かつ計画的に取り組みを進めている点が、着実な成果に繋がっています。
今後の検討課題
業務効率化により確保した時間を利用して、新たな取り組みを進める予定です。
✔ AIを活用した市場調査や情報収集による、マーケティング戦略や商品戦略等の立案。
✔ 煩雑なOEM、個別注文への見積もり業務のシステム化検討
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