音声認識が拓く、業務効率化と「誰一人取り残さない」未来の働き方
「議事録の作成に追われて、本来の業務に集中できない…」
「多様な背景を持つ職員やお客様とのコミュニケーションに、見えない壁を感じている…」
多くの組織が抱えるこうした課題を、テクノロジーの力で解決し、働く人の「働きがい」と「働きやすさ」を飛躍的に向上させているのが、株式会社アドバンスト・メディアです。
同社のAI音声認識AmiVoiceⓇを活用した音声認識ソリューション「ScribeAssist」は、いかにして業務効率化と「誰一人取り残さない社会」の実現という、二つの大きな価値を両立させているのでしょうか。その秘密に迫ります。
導入企業情報
企業名:株式会社アドバンスト・メディア 業界:情報通信業
※出典:合同会社ecarlate「音声認識市場動向2025」音声認識ソフトウェア/クラウドサービス市場 |
導入前の課題(ビフォー)
多くの企業や自治体では、以下のような課題が深刻化していました。
【議事録作成の重い負担】
会議の議事録作成は、録音データの聞き起こしとテキスト化に膨大な時間がかかり、職員の残業や業務負担の大きな原因となっていました。
【コミュニケーションの壁】
コロナ禍でマスクやアクリル板の設置が常態化し、聴覚に障がいのある方や高齢者など、口の動きや表情を読み取って会話を補う人々との意思疎通が、以前にも増して困難になっていました。
【見えないストレス】
手作業での文字起こしは、単調でありながら高い集中力を要するため、担当者の精神的なストレスも決して小さくありませんでした。
取り組み内容・導入したDX施策 (アクション)
これらの課題を解決するため、同社はAI音声認識AmiVoiceⓇを搭載した議事録作成支援ソフトウェア「ScribeAssist」を多くの企業や自治体に提供しています。
【高精度な音声認識で業務を自動化】
会議中の会話をリアルタイムでテキスト化したり、録音した音声ファイルを自動で文字起こししたりすることで、議事録作成の手間を劇的に削減します。
[ScribeAssistソリューション領域]
【「見える対話」でコミュニケーションを円滑に】
字幕表示機能を活用し、話した内容を即座にテキストで表示します。
茨城県取手市では、この機能を透明ディスプレイと組み合わせ、市役所の窓口に設置しました。これにより、来庁者は職員の表情や口の動きを見ながら、会話の内容を文字で正確に確認できるようになり、コミュニケーションのバリアフリーが実現しました。
【セキュリティと信頼性の両立】
自治体の窓口など、個人情報や機密情報を扱う場面でも安心して利用できるよう、インターネットに接続せず文字起こし出来るスタンドアローン型のシステムを提供しています。これが、多くの自治体で導入が進む大きな理由の一つとなっています。
[茨城県取手市の窓口における活用の様子]
導入後の成果・効果 (アフター)
「ScribeAssist」の導入は、定量的・定性的な両面で目覚ましい成果を上げています。
【圧倒的な時間短縮とコスト削減 (定量的成果)】
ある企業では、議事録作成にかかる時間が従来の4分の1にまで削減されました。
また、取手市では、聴覚障がいのある方との筆談に比べて相談時間が約20分短縮され、議会事務局では時間外勤務手当の大幅な削減にも繋がりました。
【働きがいと住民満足度の向上 (定性的成果)】
職員は議事録作成の負担から解放され、企画立案など、より付加価値の高い本来の業務に注力できるようになりました。職員からは「ストレスが減り、業務が楽になった」という声が上がっています。住民からは「スムーズに意図が伝わる」「相談内容をテキストで持ち帰れるので安心」と、サービスの質向上を喜ぶ声が寄せられています。
成功のポイント・工夫した点
アドバンスト・メディアの取り組みが単なるツール導入で終わらず、大きな成果を上げている背景には、3つの重要なポイントがあります。
【顧客との「伴走」が生んだ信頼関係】
同社は、製品を売って終わりにはしません。例えば取手市とは20年近くにわたる連携の中で、議会特有の言葉遣いを学習させるなど、現場のニーズを深く理解し、二人三脚でソリューションを磨き上げてきました。この「伴走」する姿勢が、揺るぎない信頼を築いています。
【「誰でも使える」を追求した技術と柔軟性】
当初は障がい者向けに特化して開発されたわけではなかった字幕機能が、社会の変化や顧客の声によってその価値を見出され、インクルーシブなツールへと進化しました。「字幕が出ると便利だよね」というシンプルな発想から始まった技術が、社会課題の解決策へと昇華したのです。
【手厚いサポートと運用の工夫】
「AI」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、同社はマイク環境の整え方から効果的な活用法まで、ウェビナーや相談会を通じて手厚くサポート。「精度を上げる3つのポイント」を分かりやすく提示するなど、誰もが技術の恩恵を受けられるよう工夫を凝らしています。

今後の課題、取り組み
アドバンスト・メディアは、現状に満足することなく、さらなる高みを目指しています。
「我々は『日常』の中に音声認識の技術がいつの間にか入り込んでおり、少しでも働き方が楽になる、という環境設定を目指さなければならないと考えております。」 担当者がこう語るように、今後は生成AIとの連携をさらに強化し、2025年中にインターネット接続不要で使えるスタンドアローン版のAI要約機能を提供する計画です。
また、外国人観光客などに対応するための翻訳機能の拡充も視野に入れており、「人とヒト」のコミュニケーションを仲立ちすることで、より豊かでインクルーシブな社会の実現に貢献していく構えです。
あなたの職場では、見えない「壁」によって非効率な業務やコミュニケーションの課題は生まれていませんか?
まず、その課題を声に出して共有することから、新しい働き方への第一歩を始めてみませんか。
関連情報・ナビゲーション
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