既存の勤管ツールが使えない! 「紙と手書き」からの解放宣言!若き経営者が推進する電気工事会社の「身の丈DX」が現場を変える
福岡市に拠点を置く株式会社アースエレクトは、複雑な勤務体系やアナログな書類文化が残る建設業界で、代表取締役 松崎竜也氏のもとDXを推進しています。GoogleフォームやAI文字起こしツールといった身近な技術で業務効率と従業員の働きがい向上を実現。本記事では、同社の課題、取り組み、成果と今後の展望を紹介します。
導入企業情報
![]() 企業名: 株式会社アースエレクト 代表者名: 代表取締役 松崎 竜也 所在地: 〒812-0861 福岡県福岡市博多区浦田2-20-1(本社) 設立: 2020年(令和2年) 従業員規模: 15名(2025年5月現在) 事業概要: 電気設備工事全般、サウナ設計施工、建設工事一式請負。グループ会社にて他事業も展開。 |
導入前の課題(ビフォー)
導入前の状況・課題
同社は成長する一方で、業務の多くが紙と手作業に依存。特に勤怠管理は、建設業特有の複雑な勤務体系に対応できる既存システムがなく、手書きの出勤簿で運用。これにより「判読困難」「記入ミス」「集計の手間」といった問題が発生し、正確な労務管理の障害となっていました。契約書類も紙ベースが主流で、作業負荷とコストが課題でした。また、打ち合わせの議事録作成にも時間がかかり、迅速な情報共有への障害でした。
![]() [アースエレクト手書き出勤簿(字が汚くて読めない例)] |
![]() [アースエレクト手書き出勤簿(1日2回出勤の例)] |
きっかけ・目的
これらの課題に対し、松崎社長は事業の成長と働きがい働きやすさに向けDXを推進するために、福岡市の支援事業への参加を決断。以前、当社としては高額なシステム開発で失敗した経験から、現場で本当に使える「身の丈に合ったツール」の活用へと方針転換し、業務効率化と働きがい向上を目指しました。
取り組み内容(導入したソリューションや工夫した点など)
導入ソリューション概要
勤怠管理:Googleフォーム + Googleスプレッドシート 議事録作成・情報共有:AI文字起こしツール |
(Googleフォームとスプレッドシートの活用) |
導入プロセス・体制
松崎社長主導のもとスモールスタート。勤怠管理はGoogleフォームの特性を活かし自社で設計・構築。社員へのレクチャーとフィードバックを経て全社展開。AI文字起こしツールは社長自ら比較検討し、トライアル後に展開。
工夫した点、苦労した点
工夫した点:現場が使いやすいシンプルなシステム設計、段階的な導入と教育、「まず使ってみる」文化の醸成。
苦労した点:第一弾システム開発の失敗、業界のアナログ文化。
導入後の成果・効果 (アフター)
定量効果
勤怠管理の集計作業時間や社労士へのデータ受け渡しに係る稼働削減。議事録作成時間も従来の数日から数分へ短縮。ペーパーレス化による手間削減。
定性効果
情報共有が迅速・正確になり、顧客や取引先とのコミュニケーションロスも減少。手書き作業からの解放で従業員の負担が軽減し、利便性向上と会社の先進的な姿勢がモチベーション向上に寄与。
関係者の声
松崎社長 | 「Googleフォームでの勤怠管理は目から鱗。AI文字起こしツールは優秀なアシスタントのよう。」 |
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現場社員Aさん | 「スマホ入力は本当に楽。どこでも記録できて助かる。」 |
事務担当Bさん | 「勤務時間集計の手間がなくなった。」 |
今後の課題、取り組み
今後の展望
グループ売上20億円・経常利益10%達成に向け、DXによる更なる生産性向上を目指す。具体的には、在庫・道具管理のデジタル化、社内SNS導入、電子契約の完全導入などを推進。
今後の課題
建設業界全体のDX推進の遅れへの対応、デジタル人材育成、セキュリティ対策強化。
日本テレワーク協会コメント
株式会社アースエレクト様のDXは、松崎社長のリーダーシップのもと、高価なシステムに頼らず身近なツールを最大限活用する「身の丈DX」を実践されている点が特筆されます。失敗を糧に柔軟なアプローチへ転換した慧眼は、多くの中小企業にとって示唆に富むものです。現場目線での改革を推し進める同社の姿勢は、業界全体の働き方改革を牽引する可能性を秘めています。アナログ業務のデジタル化が、効率化に留まらず、企業競争力強化に繋がる好事例です。同社の今後の挑戦に期待いたします。
関連情報・ナビゲーション
株式会社アースエレクトHP
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