社団法人 日本テレワーク協会
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734社のデータが示す「二極化」の実態と、いま取り組むべき「戦略的人材育成」

 

働きがい働きやすさ調査・推進委員会(事務局:一般社団法人日本テレワーク協会)は、全国734の企業・団体が回答した「2025年度 働きがい働きやすさへの取り組み調査」の結果分析レポートを発表しました。本調査により、「人への投資」と「企業成長」に、強い正の相関関係がデータで裏付けられました。一方で、取り組み状況は企業規模・地域・業種によって「二極化」が加速しており、多くの企業で「戦略的人材育成」が課題となっている実態も浮き彫りになっています。

1. 「人への投資」と「企業成長」に極めて強い正の相関

 

企業の業績と「働きがい働きやすさ」のスコアには、明確な関係が見られました。

業績が「上がっている」企業は、「下がっている」企業に比べ、以下の項目で最大3ポイント以上高いスコアを示しました。

 

人材関連:「キャリア採用など専門人材の計画的獲得」「リーダーシップ研修の実施」「エンゲージメント測定と改善」
DX関連:「テレワーク制度」「DXによる付加価値創造」「情報セキュリティ対策」

 

これは、「人への投資」が、企業の持続的成長を支える重要な経営戦略であることを強く示唆しています。

 

 

図1:平均点クロス集計⑥業績別

図1:平均点クロス集計⑥業績別(クリックで拡大)

2. 加速する「二極化」。昨年比で取り組み格差が拡大

「働きがい働きやすさ」への取り組み状況は、企業属性によって昨年度以上に格差が拡大し、二極化がより鮮明になりました。

 

企業規模:従業員数が多くなるほどスコアが高い傾向が顕著です。特に「1001名以上」の組織と、1000名以下の組織との平均スコア差が昨年より0.6拡大しました。
所在地:「東京」に本社を置く企業と、他の地域との平均スコア差が昨年より0.8拡大しました。
業種:「通信・情報通信業」が突出しており、特に「時間や場所にとらわれない働き方/DX」分野のスコアは7.2点(他業種平均4.3点)と圧倒的です。

3. 企業の共通課題は「戦略的人材育成」

多くの企業で、理念やパーパス(存在意義)の共有(分野平均5.6点)は比較的進んでいるものの、それを実行・牽引する人材の育成が追いついていません。

特に「リーダーシップ開発・活躍支援」(分野平均4.2点)や、「スキル習得や資格取得と処遇の連動」(4.4点)といった、より戦略的な人事に関連する項目が共通の課題となっています。

 

 DX成功へのヒント:「学び合う文化」

DX推進においても、「業務効率化」(4.9点)に比べ、「新サービス開発等新たな付加価値創造」(4.2点)のスコアは低く、多くの企業が守りのDXに留まっている状況がうかがえます。また、この「新たな付加価値創造」は「従業員同士が学び合う機会」と強い相関があり、さらにその「学び合い」は「スキルと処遇の連動」と強く相関していることが分かりました。

 

「個人のスキルアップを公正に処遇する制度」が「学び合う文化」を醸成し、その文化こそが「新たな付加価値を創造するDX」の源泉となる——。この成功モデルの可能性がデータから示唆されています。

 

※中小企業の学び合いの事例(働き方DX表彰事例2025より)

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また、2026年1月15日開催の「JTAアニュアルカンファレンス」にて、本調査の主管研究員が調査レポートのポイントを直接解説します。ぜひご参加ください。

 

【解説研究員のプロフィール】

大手通信会社にて法人営業、米国IBM本社出向、国際通信事業の立ち上げ、セキュリティ事業の立ち上げに従事。2006年~2009年には明治大学法学部非常勤講師(情報通信)を務める。スタッフ部門危機管理担当などを経て、2018年より現職へ出向。安心安全テレワーク施設認証プログラム策定、テレワークスキル標準策定、働き方DX教本作成に携わる。

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日本テレワーク協会

主席研究員 大沢 彰

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本調査について

調査名称:2025年度 働きがい働きやすさへの取り組み調査
調査主体:働きがい働きやすさ調査・推進委員会 座長:東京大学名誉教授 大西 隆
     (オブザーバー:総務省、厚生労働省、経済産業省)
大西座長プロフィール:
一般財団法人国土計画協会会長、東京大学名誉教授、豊橋技術科学大学名誉教授

調査期間: 2025年7月16日~9月5日
  • 有効回答数: 734件

お問い合わせ先

働きがい働きやすさ調査・推進委員会 事務局 一般社団法人日本テレワーク協会

問い合わせ窓口Email:guide()japan-telework.or.jp ()を@に替えてください

 

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