社団法人 日本テレワーク協会
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本レポートシリーズは、「一定以上の定着」を見せながらも、「今後に向けた課題とチャレンジ」がよりクリアになりつつある、「テレワークのいま・・・」につき、その状況を、公知資料を基にした分析洞察、並びに、弊協会会員企業等へのインタビューなどから、明らかにしてまいります。


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第1回 テレワーク時代のコンタクトセンターの挑戦 その1
2024.11.29

 

 


 

第1回 テレワーク時代のコンタクトセンターの挑戦 その1

第1回は「テレワーク時代のコンタクトセンターの挑戦 その1」として、コロナ禍により、業務の在り方が変容してきたなか、より効率よきサービス提供にチャレンジする変化を、お伝えいたします。

 

 

柔軟かつ安定的な運営を可能にする、コンタクトセンター業界でのテレワーク拡大

コロナ禍により、在宅ワークの選択肢が広まりました。コールセンター/コンタクトセンター業界も、その例外ではありません。

 

もともとの電話に加え、メール、SNS、チャットといった、ICT(情報通信技術)全般による非対面でのお客様コミュニケーション窓口を担ってきたコンタクトセンターですが、その運営側の事情としては、運営の安定性を担保しながらも、コストをどう柔軟に最適化していくか、という課題があります。

 

その課題に対して、以下の2つの方向性で対処できたことが、コンタクトセンター業界におけるテレワークの拡大の背景にあるといえます。

  1. セキュリティ性の高いクラウドサービスをはじめとした様々なICT技術革新・普及を活用することで、少子化・高齢化などからくる人員確保の困難さを、多様な働き方の担保をしながら、乗り越えられるようになってきたこと。
  2. コロナ禍により、分散業務を柔軟に安定的に実施できることが、コンタクトセンターにとっての必要要素と改めて見直されてきたこと。

 

テレワーク時代に一層大切な「気軽な、安心できる、コミュニケーション」

とはいえ、非対面でお客様に向き合うコンタクトセンター従事者にとって、メンタル面の維持管理は業務に安定的に臨むうえで、大切です。特に、在宅ワークで臨む場合は、殊更です。

その意味では「気軽な、安心できる、コミュニケーション」を取り続けられる工夫が大切になってきます。そうした工夫は、仕事として向き合うお客様にとっても、プラスの効用をもたらすものです。

センターで従事していても、在宅で従事していても、業務環境やセキュリティ、またお客様・同僚とのコミュニケーションを変わらず遂行できる・・・これが、テレワーク時代のコンタクトセンターにおいて、1つの理想形であると思います。
今後も様々な工夫が進んでいくものと思われます。

 

地方拠点にとってますます有利な、コンタクトセンター業界でのテレワーク

人材の確保しやすさ、そして働きやすさへの工夫もあいまって、三大都市圏以外でのコンタクトセンター数は着実に増加しています。リックテレコム社「コールセンタージャパン」編集部の2024年夏の調べでは、コールセンター拠点数が20を超える道県は、9つにのぼっています。

 

仮に、コンタクトセンターの募集賃金水準が、全国で一律に近い形をとることができるならば、地方拠点においては、地場賃金に比べて相対的に応募者が集まりやすく、結果的に、高スキルの方にまとまって従事いただける可能性が高まります。

更に、在宅ワークを組み合わせることで、家庭の事情や、自営・兼業等の状況をも鑑みた形で、そうした高スキル人材の方に対しても、柔軟な働き方を担保することが可能です。

 

次回は、そうしたコンタクトセンターの地方拠点をめぐる状況につき、実際に当会会員企業にお話を伺ってみたいと思います。

 

(つづく)

 


 

著者:主席研究員 岩田祐一

NTT持株/東日本/コミュニケーションズ、並びに、情報通信総合研究所、NTT Capital UK、NTT Europe、中曽根平和研究所、NTTセキュリティ・ジャパンなどを経て現職。専門はデジタル時代のセキュアな発展戦略及びリスク対応戦略全般。